無菌培養したマゴットによる潰瘍治療とミツバチ代替としてのイチゴ・マンゴー受粉

マゴットセラピーとは

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マゴットセラピー最新潰瘍治療マゴットセラピー(MDT:Maggot Debridement Therapy:マゴットデブリートメントセラピー)とは、蛆(うじ)虫治療のことで、糖尿病による足の壊疽(えそ)・壊死(えし)の治療や、床ずれなどによる重度の褥瘡(褥瘡性潰瘍)の治療、やけどなどによる重度の炎症治療に使われる治療法です。

マゴット治療これまでにも、足の切断を余儀なくされた患者の治療に用いられ、治癒した結果、高い確率で足の切断を回避しています。

マゴットセラピーでは、無菌飼育されたうじ虫を用いますので、安心して治療していただけます。

マゴットたちのおかげで苦痛から解放されました

国内初の患者 松嶋さん

「こうやって二本の足で立って愛犬と遊べるのもマゴット治療のおかげです」

「えっ、切断!? 絶対に嫌や!」

糖尿病性潰瘍の松嶋さんが医師から足の切断を勧められたのは今から10年前のこと。
松嶋さんの足は壊死状態になっていて、拡大すればやがては敗血症を引き起こし、死に至るという恐ろしい状態でした。
それを食い止めるには、左膝下部分から切断するしかありませんでした。

岡山大学附属病院でありとあらゆる治療を試みましたが、一向に治りません。
それだけではなく、麻薬などの鎮痛剤を極限まで使用しなければ、痛みで夜も越せないという状況でした。
ところが、どうしても切断は嫌だと。

「親から受け継いで、いただいた身体や足を切られなければならないような、なにか悪いこと私はしたやろか?
二人の子供を育て上げるために、一生懸命働いてきた。
足を切断するなんて絶対に嫌や!」

松嶋さんの想いを何とか実現し、足を切断しないで済む方法はないだろうか。
三井医師が国内外の症例を検討した結果、イギリス・オーストラリアで近年採り入れられているマゴットセラピーにたどり着きました。

そして、2004年4月。
オーストラリアから空輸したマゴットを使い、日本で初めてマゴットセラピーが施行されました。

「まるでオーストラリアから来た天使みたいです」

国内初の患者あんなにあんなに苦しめられた痛みから解放されて、足の切断を免れることができた松嶋さん。
マゴットへの感謝の気持ちを込めて、マゴットを「オーストラリアから来た天使」と呼んでいました。
この治療法の数日後には、松嶋さんは病室でお化粧をして医師を出迎えてくれました。
歩行リハビリを経て、3ヶ月後には退院。

今では、愛犬と二本の足で立って歩くことのありがたさを、かみしめています。
努めて歩くようにしているので、糖尿病のコントロールも良好になりました。

難治性潰瘍に無菌マゴットは非常に有効

岡山大学三井秀也「糖尿病などで足の血流が悪くなると皮膚にできた傷が悪化し潰瘍になる。抗生物質で治療するが耐性菌が出現し、なかなか治らない場合もある。最悪の場合は足を切断する。これに対し、近年、欧米などで注目を集めているのがマゴットを使った治療方法。幼虫が壊死(えし)した組織を溶かして吸い取り、殺菌もする。これまで八人を治療したが、いずれも足を切断せず、歩けるようになり、良好な結果が出ている」

岡山大大学院医歯薬学総合研究科心臓血管外科助手の三井秀也医師

来院時と3ヶ月後

マゴット治療の長所

  1. 禁忌症例がほとんどない
  2. 麻酔が不要
  3. 副作用がほとんどない
  4. 壊死組織のみが除去される

外科的治療とマゴット治療の比較

外科的治療 マゴット治療
外科的治療 マゴット治療
壊死組織を切除する。
周辺の正常組織も切除する。
(出血、疼痛)
処理は不完全。
消毒する(1日5分)
壊死組織(死んだ蛋白質)のみを分解し
除去する(センサー)
出血しない。痛みなし。
24時間働く、処理し続ける(不眠不休)
文句を言わない。餌は患者の組織。

マゴット治療は数千年前から続く最新治療法

アボリジニハエ幼虫(ウジ)が傷治療に有効であることは数千年前も前より人々に広く認識されていました。
実際にはオーストラリアの原住民(Aborigines)は数千年前より創を清浄にするために、これを使用していました。
ビルマの伝統医は傷をウジ、泥と濡れ草で覆い治療していました。またアメリカ先住民(Mayan Indians)は、動物の血を漬け乾かした布で創を覆うことにより、傷にウジを湧かせて、傷を治療していました。近代にいたっては、戦争中、マゴットの涌いた創の方が速く治癒し、結果的にその兵隊は命が助かった事を多くの軍医は目撃してきました。
例えばウィリアム バゥア教授(ジョンホプキンス大学整形外科)は,戦地から帰って実際にマゴット治療を米国内で広めた最初の医者です。 彼の良好な結果は1931年に報告されています。discovery-channelその後、抗生物質と外科治療が進歩した1940年代にいたるまで、マゴット治療は何千という医療機関で実践され、良好な結果を得てきました。
1990年代になり抗生物質の多用乱用により抗生物質抵抗性の感染性潰瘍が出現し、糖尿病、動脈硬化症等の潰瘍の原因となる疾患が増加、重症化し、これらの難治性潰瘍治療に難渋することとなりました。 そこでマゴット治療の有効性が再び脚光を浴びたのです。
英国では1995年NHS(国民健康保険)に、米国では2004年FDA(食品医薬品局)にすでに認可され欧米を中心に広く普及しています。
競走馬ナイスミドル2010年現在世界40カ国以上にて難治性創傷の治療に取り入れられています。
国内においては2004年に岡山大学医学部心臓血管外科にて初めての治療が行われ、ジャパン・マゴット・カンパニーが生産する無菌マゴットが国内の100以上の医療施設においてMDTに使用され、良好な結果を得ています。
マゴットはサラブレッドにも有効だということが証明されています。JRA競走馬研究所にて競走馬ナイスミドルの蹄癌治療にも成功し、見事レース復帰となりました。
以後、全国徐々にマゴット治療の関心が高まってきています。

安くて良質なマゴットを確保するため事業化

ベンチャービジネスプランコンテスト従来の治療では幼虫を二週間に一度、豪州から輸入しており、一回の治療にかかるコストは十数万円。標準的な治療では三週間で六回の幼虫を投入する必要があり、総額は百万円弱。長い輸送時間で弱る幼虫も多く、『何とか国内で安くて元気なマゴットを生産できないか』と考え、国内での事業化しました。
岡山県産業振興財団が2004年11月に開いた「ベンチャー・ビジネスプランコンテスト」で最優秀賞(賞金五百万円)を獲得し、飼育装置の購入や創業資金に充てました。ヒロズキンバエというクロバエを飼育装置で繁殖させ、特殊な方法で無菌化。医療機関からの依頼があれば、宅配便で送っています。価格は六回の治療分(約六百匹)で約三十万円。マゴット治療が普及し、増産体制が整えばより安価な価格設定も可能です。将来は六万円程度で提供できればと思っています。
全国の潰瘍による下肢切断患者は年一万人以上います。
しかし、マゴット治療はほとんど行われていないのが現状です。
まず治療法を知ってもらい、普及させることによって、一人でも足を切断しなくて済む患者さんを増やしたいと考えています。
ジャパン・マゴット・カンパニー スタッフ

お気軽にお問い合わせください TEL 086-953-4430 9:00~17:00 (日・祝日除く)

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